
インターネット上のプライバシーと安全性を確保するツールとして、今やVPNは欠かせない存在となっています。しかし、すべてのVPNサービスが安全というわけではありません。特に無料VPNは、コストを抑えられる一方で、利用する際には注意すべき点も多く存在します。
本記事では、おすすめの無料VPNサービスと、その利用方法、潜在的な危険性について解説します。
無料VPNサービス5選!
無料のVPNサービスはさまざまなものが存在しますが、ここでは完全無料で利用できるもの、無料プランが存在するものを5つ紹介します。
VPN Gate
VPN Gateは筑波大学が提供する完全無料のVPNサービスです。研究目的で運営されており、世界中に数千台のサーバーが設置されています。誰でも無料で、ユーザー登録なしで利用でき「とりあえずVPNを利用したい」という場合におすすめです。
より詳しくは、こちらの記事で解説しているため、併せてご覧ください。
→「筑波大学のVPN Gateとは? メリット・デメリットや危険性など」
SoftEther VPN
SoftEther VPNは、Ethernetデバイスの仮想化を特徴とするオープンソースのVPNソフトウェアです。筑波大学によって開発され、VPN Gateなどと組み合わせて利用できます。柔軟なリモートアクセスと拠点間接続を実現し、ファイアウォールやNATを巧みにすり抜けることができます。特に企業内LANや公共のWi-Fiアクセスポイントでの利用に適しており、既存のネットワーク設定をほとんど変更することなく導入できる点が魅力です。
TunnelBear
TunnelBearは、世界47カ国に対応したVPNサービスです。通信にはAES 256ビット暗号化通信を採用し、独立したセキュリティ監査を毎年実施するなど、信頼性の高いサービスとなっています。また、利用者のログを記録しないため、プライバシーの点でも安心して利用できます。TunnelBearの無料プランでは、月間2GBまでの通信が可能です。
ProtonVPN
スイスに本拠地を置くProtonVPNは、ノーログポリシーを徹底している点で高い信頼性を誇ります。無料版でもデータ容量の制限がなく、日本を含む3つの地域に無料接続できます。AES 256ビット暗号化とOpenVPNを採用し、キルスイッチ機能も備えているため、安全なインターネット利用が可能です。
hide.me
hide.meは、高度な暗号化技術と IP 漏えい保護機能を特徴とするVPNサービスです。AES 256ビット暗号化を採用し、堅牢なセキュリティを提供します。無料版でもデータ通信量無制限で利用でき、ノーログポリシーのためプライバシー保護に重点を置いたサービスとして知られています。
無料VPNの利用方法
無料VPNの接続方法は、基本的にOSによって異なりますが、一般的な手順は以下のようになります。
- 選択したVPNサービスのアカウントを作成
- 選択したVPNサービスの公式サイトからアプリをダウンロード
- アプリを起動し、接続したい国や地域のサーバーを選択
- 接続を開始することでVPN経由のインターネット接続が実現
VPN GateやSoftEther VPNを利用する場合は、アカウント登録が不要であったり、自身でサーバーを検索して入力する必要があったりしますが、基本的な流れは同じです。
無料VPNの危険性とその対策
無料VPNは便利で気軽に利用できますが、利用する際には注意すべき点も存在します。それらの注意点と併せて対策を解説するため、一つずつ見ていきましょう。
セキュリティリスク
一部の無料VPNサービスのなかには、完全な暗号化通信が行われておらず、個人情報が漏洩する可能性があります。また、ユーザーデータを第三者に販売したり、マルウェアに感染するリスクも指摘されています。運営元をしっかりと確認し、どのようなポリシーでサービスを提供しているのかを事前に把握したうえで、利用を検討することが重要です。
安全に無料VPNを利用するための注意点
無料VPNを利用する際は、重要な情報を扱わないこと、プライバシーポリシーを慎重に確認することが重要です。可能な限り、信頼性の高いプロバイダーを選び、追加のセキュリティ対策(セキュリティソフトの導入など)を講じることをおすすめします。
信頼できる無料VPNの見極め方
信頼できる無料VPNを選ぶポイントは、強力な暗号化(AES 256ビット)、ノーログポリシー、キルスイッチ機能の有無です。また、プライバシーポリシーが明確で、透明性の高いプロバイダーを選ぶことが重要になります。公式サイトなどからの情報と併せて、実際に利用した人の意見も確認するとよいでしょう。
無料VPNの活用と安全な利用のために
無料VPNは便利なツールですが、過信は禁物です。前述の危険性や注意点を理解したうえで、重要情報を扱わない場合や個人利用の際は、無料VPNでも十分に活用できるでしょう。しかし、特に機密情報を取り扱うような場合には、無料VPNではセキュリティ面に不安が残ります。セキュリティとプライバシーを完全に守るためには、有料のVPNサービスを検討することをおすすめします。
そもそも「VPNがどのようなものかわからない」という方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
→「VPN接続とは? 概要やメリット・デメリットをわかりやすく解説」