IoTデバイスとは? 種類や役割・セキュリティ対策などを解説

IoT(Internet of Things)は、スマートフォームやウェアラブルデバイスなど、わたしたちの生活に密接に関わるようになりました。IoTを活用するためには、その中核を担う「IoTデバイス」について理解を深めることが重要です。
この記事では、IoTデバイスの概要からセキュリティリスクや対策方法について解説します。IoTを安全かつ便利に活用するためにも、一つずつ理解を深めていきましょう。

IoTデバイスとは?

IoTデバイスは、私たちの生活や産業に革命をもたらす重要な技術です。その定義や種類、役割について解説します。

IoTデバイスの定義とその役割

IoTデバイスとは、インターネット(ネットワーク)に接続可能な機器やセンサーのことを指します。IoTデバイスは固有のIPアドレスを持ち、データの収集、送受信、処理という3つの主要な役割を担います。

  • センサー機能:環境情報や状態などのデータを収集
  • 通信機能:収集したデータをサーバーやクラウドサービスに送受信
  • データ処理機能:収集したデータを分析・処理

これらの機能により、IoTデバイスは私たちの生活や産業に大きな変革をもたらしています。

主なIoTデバイスの種類と用途

IoTデバイスの種類は多岐にわたります。代表的な例としては次のようなものが挙げられるでしょう。

  • スマートホームデバイス:スマートスピーカー、スマート家電、セキュリティカメラ
  • ウェアラブルデバイス:スマートウォッチ、フィットネストラッカー
  • 産業用IoTデバイス:製造ラインのセンサー、農業用モニタリング
  • 医療用IoTデバイス:スマート医療機器、遠隔患者モニタリング
  • 交通・運輸関連IoTデバイス:物流追跡、自動運転車両のセンサー

など

これらのIoTデバイスは、効率化や安全性の向上、コスト削減など、さまざまな用途で利用され、革新的な変化をもたらしています。

IoTデバイスのセキュリティリスク

IoTデバイスは便利な反面、セキュリティのリスクもあります。ここでは、主なリスクと具体的な脅威について見ていきましょう。

IoTデバイスにおける主なセキュリティリスク

IoTデバイスはその特性上、従来のIT機器とは異なるセキュリティリスクを抱えています。

  • 機器の制御が乗っ取られるリスク
  • 企業の機密情報や個人情報が漏えいするリスク
  • サイバー攻撃の踏み台にされるリスク

IoTデバイスにおけるセキュリティリスクは、主に設計上の問題や不適切な設定・運用から生じることが多いといえます。IoTデバイスを利用する際には、このようなリスクがあることを理解したうえで対策を講じることが重要です。

IoTデバイスにおけるセキュリティ脅威の例

実際にIoTデバイスがサイバー攻撃を受けたり、悪用されたりするケースが報告されています。例えば、IoTデバイスが不正アクセスされてしまう事例です。不正アクセスにより、監視カメラがインターネット経由で第三者に覗き見られる事例や、スマートスピーカーやスマート家電から個人情報が盗まれたり、不正に操作されたりする事例が報告されています。

その他にも、医療用IoTデバイスが不正に操作されて患者の生命を脅かす可能性や、産業用IoTデバイスがサイバー攻撃を受け、工場が稼働できなくなるリスクなどが懸念されています。IoTデバイスが普及するほど、個人のプライバシーや社会インフラまで、幅広い範囲に影響を及ぼす可能性が考えられるのです。

IoTデバイスのセキュリティ対策

前述のようなリスクに対しては、リスクの存在を知り対策を講じることが重要になります。ここでは、基本的な対策と企業が取るべき具体的な対策について見ていきましょう。

基本的なセキュリティ対策

IoTデバイスのセキュリティを確保するための基本的な対策としては、次のような対策が挙げられます。

  • 初期設定を変更する
  • ファームウェアを最新状態にする
  • 不要な機能を無効化する
  • ネットワークを分離する

IoTデバイスの多くはパスワードが設定されていますが、初期設定のままでは悪用されるリスクが高いため、必ず変更するようにしましょう。また、ファームウェアを最新状態にすることで脆弱性を排除し、サイバー攻撃に備えます。同様に、不要な機能を無効化することで、サイバー攻撃によって狙われる脆弱性を減らすことが可能です。さらに、IoTデバイス用のネットワークを重要な情報を扱うネットワークから分離することで、万が一IoTデバイスがサイバー攻撃を受けても被害が拡大しないようにできます。

企業が取るべきセキュリティ対策の具体例

企業がIoTデバイスを導入する際には、より包括的なセキュリティ対策が必要です。前述の基本的な対策に加えて、次のような対策も求められます。

  • セキュリティポリシーの策定
  • リスクアセスメントの実施
  • 監視・ログ管理の強化
  • 従業員教育の実施
  • インシデント対応計画の策定

セキュリティリスクを発生させない、発生したとしても早期に発見・対処できる環境を整える、ということが重要です。担当者や担当部門だけで対応するのではなく、組織一丸となって対応できるように、意識の統一と行動指針を明示するようにしましょう。

IoTのセキュリティ対策について、より詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてご覧ください。
→「IoTのセキュリティ対策とは? 安全に活用するために

IoTデバイスを安全に活用するために

IoTデバイスは、私たちの生活や産業に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。しかし、その恩恵を安全に享受するためには、適切なセキュリティ対策が不可欠です。本記事で紹介した基本的な対策を実施するとともに、常に最新のセキュリティ情報に注意を払い、必要に応じて対策を更新していくことが重要です。また、IoTデバイスの導入・運用に際しては、便利さだけでなく、セキュリティリスクも十分に考慮し、バランスの取れた判断を心がけましょう。