画像生成のAIとは? 仕組みや活用例を紹介

近年、AIの活用が広がっていますが、そのなかでも誰もが利用可能で注目を集めているものが生成系AIです。生成系AIにはさまざまな種類が存在しますが、今回は画像生成AIについて解説します。画像生成AIがどのようなものなのか、仕組みや技術と併せて簡単な活用例について見ていきましょう。

画像生成AIとは

画像生成AIとは、主にテキストで生成したい画像のイメージを指定することで、そのイメージに沿った画像を出力するAIです。イラストから写真のような画像まで、幅広い種類の画像生成に対応しています。画像生成AIは学習した内容に沿って、オリジナルの画像を生成することが可能です。

画像生成AIは生成AI(生成系AI)の一種であり、生成AIについてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→「生成AIとは? 概要や活用するメリット・デメリットなど徹底解説

画像生成の技術的仕組み

画像生成AIではディープラーニング(深層学習)を用いています。ディープラーニングはデータの背景にあるルールやパターンを学習できる点が特徴です。大量のデータからディープラーニングで学習・分析を行うことで、オリジナル画像を生成できるようになっています。

また、ディープラーニングは機械学習の一種ですが、機械学習の学習方法には「教師あり学習」と「教師なし学習」が存在します。画像生成において、教師あり学習は指定されたテキストに沿った特徴をもった画像の生成のため、教師なし学習は独創的な画像を生成するために必要です。これらの学習方法の違いを組み合わせることで、画像生成AIはオリジナル画像を生成しています。

画像生成AIの技術

画像生成AIで用いられる代表的な技術やモデルについて、簡単に解説します。

主要な技術:GAN、CNN、VAE

画像生成に使われる主要な技術手法としては、次のようなものが挙げられます。それぞれ特徴があり、適した分野が異なるため必要に応じて使い分けられています。

  • GAN(敵対生成ネットワーク):2つのニューラルネットワークを競わせ、品質を向上させる
  • CNN(畳み込みニューラルネットワーク):画像の特徴を効果的に抽出する
  • VAE(変分オーエンコーダ):教師なし学習により画像の潜在的な特徴を抽出する

GANは高品質な画像の生成ができる点が特徴です。低品質な画像を高品質に生成し直したり、写真のような画像を生成したりできます。CNNは画像認識の分野で活用され、自動運転の環境認識などで利用される事が多い手法です。VAEは特徴から似ている画像を作成できることから、工場での異常検知や製品のデザイン生成などで利用されています。

最新のモデル:DALL-E、Stable Diffusion、Midjourney

近年では多くの画像生成AIのサービスが登場していますが、そのなかでも有名な以下3つのサービスを紹介しましょう。

  • DALL-E:OpenAI社の画像生成モデル
  • Stable Diffusion:オープンソースの画像生成モデル
  • Midjourney:Discordで利用可能な画像生成モデル

DALL-EはChatGPTで有名なOpenAI社の画像生成モデルです。現在ではより高度なモデルとしてDALL-E3が公開されています。Stable Diffusionは商用利用も可能なオープンソースの画像生成モデルであり、公開されている多くの学習済みのモデルを利用することで、簡単に写真からイラストまでさまざまな画像が生成できるモデルです。MidjorneyはコミュニケーションツールのDiscordで利用できる画像生成モデルです。容易に画像生成が体験できるとして、SNSで話題となりました。

画像生成AIの活用例

画像生成AIはビジネスでも活用できます。ここでは、ビジネスシーンにおける活用例を2つ紹介するため、一つずつ見ていきましょう。

広告やマーケティングにおける活用例

画像生成AIを用いれば、誰でも容易に望んだ画像が手に入ります。広告に用いる写真やイラストを専門家に依頼することなく生成することも可能です。また、商品写真のバリエーションを画像生成AIによって自動作成することにも利用できます。多くの画像生成AIは即座に画像を生成できるため、広告やマーケティング業務における時間とコストの削減・効率化などの効果が期待できます。

製品デザインやデジタルコンテンツにおける応用例

画像生成AIによってアイデアを生成してもらう、という使い方も考えられるでしょう。例えば、新しい製品のデザインを開発する際に、さまざまなイメージを画像生成AIに伝えて何パターンか生成してもらうことで、デザイン制作の効率化につながる大きな支援となり得るでしょう。企業のWebサイト上に掲載する内容に合った画像を作成するなど、デジタルコンテンツの生成手段としても利用できます。

画像生成AIはテキストから画像を生成できるAIです。近年の画像生成AIは高度化が進み、ビジネスシーンでも利用できるようになりました。実際にビジネス活用も進められており、今後の業務効率化や新たな事業の創出手段として注目されています。

画像生成AIにはさまざまな種類が存在しており、手軽に始められるものも存在しています。導入を検討されている場合は、まずは画像生成AIがどのようなものか試してみてはいかがでしょうか。