いまやほとんどの方がスマートフォンを所有していますが、毎月の利用料を抑えたいと考える方は多いのではないでしょうか。そのような方は格安SIMを利用することも検討していると思いますが、格安SIMを利用する場合には知っておくべきデメリットや注意点が存在します。
この記事では、格安SIMを利用する上でのデメリットや注意点、選択する際のポイントなどを解説します。
格安SIMのデメリットとは
格安SIMを利用する際には、次に挙げるようなデメリットについて理解しておく必要があります。ただし、すべての格安SIMに該当するとは限らず、サービスによって異なる可能性がある点はご留意ください。
通信速度が遅くなる可能性がある
格安SIMを提供するMVNOなどは、大手キャリアの通信インフラを借りてサービスを提供しています。自社で回線を持たず、ショップの展開数を制限することで安価な料金を実現していますが、大手キャリアに比べると通信速度は劣る傾向にあることは覚えておきましょう。また、回線が混みやすく、利用者が多い昼間や夜間は通信速度が遅くなりやすくなります。
家族割や通話定額プランが少ない
大手キャリアは家族間での通話が無料になるなどの家族割や、通話定額プランなどが充実しています。対して、格安SIMはそのようなプランを用意しているサービスは多くありません。格安SIMが提供するプランの多くは、データ容量によって細かく分かれている場合が多く、通話をメインに利用する場合には注意が必要です。
支払い方法が限られているケースが多い
格安SIMを提供するサービスの支払い方法は、ほとんどがクレジットカード決済です。クレジットカードが持てない方や、クレジットカードを利用したくない方は注意しましょう。デビットカードや口座振替に対応しているサービスも少数ですが存在はします。
キャリアメールが利用できない
大手キャリアは契約すると独自の無料で利用できるメールアドレスが付与されます。しかし、格安SIMではほとんど付与されることがありません。大手キャリアから格安SIMに変更する場合に、キャリアメールを引き継げるサービスもありますが、年額か月額料金が必要となるため注意が必要です。
LINEのID検索制限
LINEのID検索をするためには年齢認証をする必要があります。しかし、格安SIMの多くは対応しておらず、年齢認証ができないためID検索に制限がかけられます。ID検索以外の方法でLINEの友だちを追加したい場合には、2023年10月現在「QRコード」を利用する方法があります。
テザリングが利用できないケースがある
テザリングはスマートフォンをルーターの代わりとし、パソコンなどをインターネットに繋げる技術ですが、格安SIMでは利用できない場合があります。端末が対応していない、通信事業者側(契約プラン)が対応していない場合にテザリングが利用できません。
格安SIMのメリット
格安SIMの利用を検討する際には、前述のデメリットをしっかりと理解することが重要です。そのうえで、適切に活用する場合はメリットのほうが大きくなるでしょう。格安SIMの最大のメリットは月額料金が安くなる点です。大手キャリアの場合は月額5,000円を超える場合も多いと思いますが、格安SIMであれば2,000円~3,000円程度に抑えられます。格安SIMのデメリットを十分に理解していれば、十分にメリットを活かせるでしょう。
格安SIM乗り換え時の注意点
格安SIMに乗り換える際には「利用できない期間が発生する可能性」に注意する必要があります。格安SIMに乗りかえる際には、MNPによって電話番号を引き継ぎますが「開通処理中」にはスマートフォンが利用できなくなります。MNPによる電話番号の引き継ぎは次のような流れで行われます。
- 現在利用中のキャリアに「MNP予約番号」を発行してもらう
- 現在利用中のキャリアで解約手続きを行う
- 乗り換え先の格安SIM(MVNO)などにMNP予約番号を伝えるとともに転入手続きを行う
- 乗り換え先で「開通手続き」を行う
- 完了後、格安SIMが利用可能になる
このとき、スマートフォンが利用できなくなるのは開通手続きによる開通処理中の30分~2時間ぐらいの間です。ただし、手続きの受付時間によっては翌日になることもあるため、事前に受付時間は確認しておきましょう。
加えて、新しいSIMカードが届いたあとに開通手続きを行うことも、利用できなくなる期間を短くするためのポイントです。届く前に手続きを進めてしまうと、手元のスマートフォンが使えなくなり、新しいSIMカードが届くまで待たなくてはならなくなります。
格安SIMを選ぶ際のポイント
格安SIMを選ぶ際のポイントとしては、主に次の3点が重要になります。
- 通信速度
- 料金プラン
- オプションやキャンペーン
格安SIMを提供するMVNOなどは多数存在しますが、それぞれ内容は異なります。
通信速度は口コミサイトなどで平常時や混みやすい時間帯における実効値を確認するという方法があります。
料金プランも大きく「音声対応SIM」「データ通信専用SIM」「SMS対応SIM」に分かれており、そのなかでもデータ容量などによって細かく用意されています。自身がどの程度の通話時間やデータ容量を必要としそうかを事前に確認し、比較することで最適なプランを選択できます。
また、オプションやキャンペーンの存在も重要です。通話がメインであれば通話料金の割引が大きくなるオプションが存在するサービスを選択するとよいでしょう。キャンペーンによっては、新しい端末が安価に購入できる、利用初月が無料になる、などさまざまであるため、オプション・キャンペーンの内容も含めて検討することをおすすめします。
いずれにしても、自身がどのようにスマートフォンを利用しているのかを明確にし、妥協できるポイントと譲れないポイントを明確にしておくことが重要です。自身のなかで基準を定めることができれば、前述の3つのポイントに照らし合わせながら最適な格安SIMを選択できるでしょう。
格安SIMは毎月の利用料金が安くなるとして注目されていますが、デメリットも存在することは覚えておきましょう。デメリットをしっかりと理解した上で、自身のニーズにあった格安SIMを選ぶことができれば、メリットも最大限に活かせます。まずは、自身の利用状況を明確にし、プランに求めるポイントを明確にすることからはじめてみてはいかがでしょうか。