近年、スマートフォンの普及に伴い、さまざまな分野でデジタル化が進んでいます。その中の一つが、紙のチケットをデジタル化した「電子チケット」です。
この記事では、電子チケットの仕組みや種類、そして電子チケットがもたらすメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。電子チケットの活用を検討されている方はご覧ください。
電子チケットとは
「電子チケット」とは、紙のチケットではなく、スマートフォンやタブレットなどの電子端末にチケット情報を保存し、それを提示することで入場や利用ができるチケットのことです。デジタルチケットやeチケットとも呼ばれます。
従来の紙のチケットに比べて、紛失や盗難の心配がなく、携帯性にも優れます。また、イベント主催者側も入場管理がスムーズになり、データの蓄積・分析も可能になるなど、多くのメリットがある仕組みです。
ただし、スマートフォンのバッテリー切れや故障、ネットワークの不具合など、電子チケットならではのリスクもあります。
電子チケットの仕組み
電子チケットは、紙のチケットと異なり、スマートフォンなどの電子端末に保存されたQRコードやバーコードを読み取ることでチケットの代わりとする仕組みです。
イベント参加者はチケットを購入した後、ダウンロードしたりメールで受け取ったりする形でチケット情報を取得します。取得したチケット情報から電子チケットを端末で表示し、QRコードやバーコードを読み取り端末にかざすことでサービスを利用できます。
電子チケットの種類
電子チケットには、1回だけ利用できる1回券、複数回利用できる回数券、一定期間の利用に適した定期券、特定の日時に利用可能な日時指定チケットなどの種類があります。
1回券は、コンサートやスポーツ観戦など、1回限りのイベントに利用されるチケットで、友人や知人に贈れるギフトチケットや、特典が受けられるクーポンチケットなどとしても利用されます。
回数券は、複数回の利用を促したい店舗・施設で利用されます。10回分の価格で11回分利用可能といったように、1回券に比べてお得な価格設定で販売されるのが一般的です。
定期券は、任意の期間でサービスを提供できるチケットです。似たタイプとして、毎月定額でサービスを提供するサブスクリプションの電子チケットもあります。ジムやプールなどで導入される傾向にあるほか、飲食店において利用されるケースもあります。
日時指定チケットは、特定の日時や時間帯に限定された利用が可能なチケットで、テーマパークや展示会など、特定のイベントに利用されます。
電子チケットのメリット
電子チケットのメリットとしてまず、紙のチケットに比べて偽造や紛失のリスクが低い点が挙げられます。電子チケットはQRコードやバーコードなどを使った認証が可能なため、サービス提供者にとっても利用者にとっても安全性が高い仕組みです。
また、電子チケットは業務効率化にもつながります。紙のチケットと違いチケットの発行や管理の手間がかからないため、業務負荷を軽減できます。さらに、売り上げや利用状況のリアルタイムな把握が可能になり、運営者のビジネス戦略にも役立てられます。
また、コスト削減につながる点もメリットです。紙のチケットの場合、印刷や配送などがかかりますが、電子チケットは印刷や配送の必要がなく、コストを抑えられます。
さらに、24時間の販売・チケットの受け渡しにも対応できます。紙のチケットの場合、営業時間内にしか販売や受け渡しができませんが、電子チケットはインターネットを通じていつでも購入や受け渡しが可能です。
電子チケットのデメリット
電子チケットにはさまざまなメリットがありますが、利用上のデメリットもあります。
1つ目は、スマートフォンの充電切れや故障などの場合に、チケットが利用できなくなる点です。電子チケットは、利用する際にスマートフォンやパソコンなどの表示端末が不可欠なため、充電方法を用意しておくなどの対策が求められます。
2つ目は、インターネット回線の障害により、チケットの購入や利用ができなくなる可能性があることです。特にスマートフォンの場合は、移動中などの通信環境が悪い場所で利用すると、回線が切れたり、遅くなったりすることがあります。このような場合には、事前にチケットを購入・表示しておくなどの対策が必要です。
また電子チケットには、紙のチケットにはないセキュリティ上の課題もあります。偽造防止技術を搭載することでセキュリティを強化していますが、依然として偽造される可能性はあります。そのため、電子チケットの適正な取り扱いや管理が重要です。
電子チケットの仕組みや種類、メリット・デメリットなどを解説しました。1回券だけでなく定期券やサブスクリプションなどさまざまな種類があることで、電子チケットは幅広いサービスに対応できます。
電子チケットはサービス提供者・利用者の双方にとってメリットのある仕組みですが、デメリットがある点に注意しましょう。想定されるリスクを事前に予測し、適切な対策を講じることが大切です。