VPNの接続方法と利用時の注意点

VPNは仮想的な専用回線を利用するため安全性が高く、社外から社内ネットワークに接続する際になどによく用いられます。テレワークを実施するためにVPNを導入したいという企業も増えてきているようです。しかし、具体的な準備方法がわからないというケースも多いでしょう。
そこでこの記事では、VPN接続のために必要なものや接続方法、利用する際の注意点について解説します。

VPNに接続するために必要なもの

VPN(Virtual Private Network)は2拠点間を暗号化した仮想的な専用線でつなぐ技術です。VPN環境を構築するためには、サーバ側とクライアント側でそれぞれ準備しなければならないものがあります。

サーバ側ではVPNルータやVPNサーバなどが必要です。これらは、クライアントからの接続要求を受け付け、ユーザの認証や暗号化のルールなどを定める役割を持ちます。

クライアント側では、サーバ(VPNルータなど)のアドレスや自身のユーザID・パスワードを準備する必要があります。加えて、WindowsなどのOS機能を利用したVPN接続ではなく、独自のVPN接続を行うソリューションを利用する場合には、専用のデバイスが必要となることもあります。OS機能を利用する場合には、VPN接続の種類に合わせてプロファイル(接続設定)を作成する必要があります。

なお、VPN にはいくつかの種類があります。VPNの種類については「VPN接続とは? 概要やメリット・デメリットをわかりやすく解説」をご覧ください。
その中でもIP-VPNで接続する際には、通信事業者が独自に保有する閉域ネットワークとユーザ側のLANを接続するために「CEルータ」(Customer Edge router)と呼ばれるエッジルータを設置する必要があります。CEルータは、クライアント側のLANの終端に設置し、VPNへの出入口となります。一方通信事業者側には「PEルータ」(Provider Edge router)というエッジルータがあります。エッジルータはネットワークの接続や中継に用いられるもので、上記のようなIP-VPN接続の場合は下記のような接続となります。
<クライアント側のLAN – CEルータ – PEルータ – 通信事業者の閉域ネットワーク>

Windows10端末によるVPNの接続方法

クライアント側でWindows10を利用する場合のVPN接続方法を紹介します。Windows10ではVPNのプロファイルを作成する必要があるため、次の手順でプロファイルを作成してください。

  • Windowsキーを押下し、スタートメニューの「設定(歯車アイコン)」を選択
  • 「ネットワークとインターネット」を選択し、「VPN」を選択
  • 「VPN接続を追加する」を選択
  • 「VPNプロバイダー」で「Windows(ビルトイン)」を選択
  • 「接続名」に任意の名前を入力
  • 「サーバー名またはアドレス」に接続先のVPNルータなどのアドレスを入力
  • 「VPNの種類」では、VPNルータなどの設定に合わせてPPTPやL2TPなどのプロトコルを選択
  • 「サインイン情報の種類」もVPNルータなどの設定に合わせて選択
  • 「サインイン情報の種類」に合わせて、ユーザ名やパスワードを入力
  • 「保存」ボタンを押してプロファイルを保存する

プロファイルが作成できたら、VPNの設定画面で先程作成したプロファイルを選択し、「接続」ボタンを押下することでVPN接続が完了します。

VPN接続できない場合は、VPNの種類やユーザ名・パスワードに誤りがないか確認しましょう。

VPN接続を利用時の注意点

VPNは遠隔地からでもセキュアな通信で社内ネットワークに接続できます。しかし、原則としてVPNは通信する度に暗号化処理を行うため、通信速度が落ちやすい傾向にあります。また、VPNの種類や利用するサービス・ソリューションによっては、外部ユーザの影響を受けて、通信速度が遅い、繋がりにくいという状況も発生します。利用するVPNの種類やサービスの選定を慎重に行いましょう。

また、VPNは安全性の高い通信を実現しますが、万全とはいえません。VPNルータにも脆弱性が存在するため、定期的なアップデートが必須となります。また、接続するユーザの管理もしっかりと行ないましょう。ユーザ名やパスワードが漏れてしまうと、不正アクセスに繋がる可能性も考えられます。そのため、例えば会社で利用する際には社員に対して定期的に研修を行うなど、内部でのセキュリティ意識を高く保つことが重要です。

加えて、外部からの攻撃や事故にも備えましょう。VPNは安全性の高い遠隔地通信を実現しますが、しっかりと運用しなければセキュリティ事故につながりかねません。ただ利用するだけではセキュリティが万全とはいえないため、しっかりとした対策を行う必要があります。

VPNを利用するためには、サーバ側とクライアント側の双方で事前準備が必要です。それぞれに準備するものや実施することが異なるため、導入前にしっかりと整理しておきましょう。
また、VPNを利用する際にはセキュリティ対策を十分に行うことが重要ですので、準備段階からどんな対策を行うか、具体的に検討することをおすすめします。専門家に相談することで、利用目的や予算も考慮した最適な利用環境を選定することもできます。

VPNを利用することで業務の効率化や働き方の自由度が増すことが期待できることから、テレワークをはじめ多様な働き方を実現するための手段としても注目されています。安全性の高い社外接続環境を構築するためにVPNを導入してみてはいかがでしょうか。