ネットワークカメラの通信量はどのくらい?

アナログカメラと比べて映像が圧倒的にきれいで劣化しにくいネットワークカメラ。設置も簡単で、遠隔地からでも映像の確認や管理ができるなど多くのメリットがありますが、導入に際しては通信量もしっかりと確認しておきたいところです。今回の記事では、ネットワークカメラの通信量について、回線契約時の注意点などにも触れながら詳しく解説していきます。

ネットワークカメラの通信量の計算方法

YouTubeやNetflixを利用した動画コンテンツの視聴や、音楽ストリーミング、SNS、モバイルゲームなど、映像や音声の送受信には大きなデータ通信量が必要です。
これはネットワークカメラにおいても同じで、アナログカメラと比べて鮮明な映像を撮ることができるネットワークカメラは、データの容量がどうしても大きくなってしまいます。ネットワークカメラのための回線を契約する際には、導入するネットワークカメラの通信量がどのくらいかを正しく理解し、最適なプランを選ぶようにしましょう。ポイントは1ヶ月あたりの通信量がどのくらいになるのかということ。通信量は、以下の計算式で算出することができます。

「通信量(MB)=ビットレート(Mbps)×1日あたりの通信時間(秒)×日数÷8」

ちなみに、ビットレートというのは、1秒間に送受信できる情報量のことで、単位の「bps」は「bit per second」という意味です。1,000bpsは1Kbps、1,000Kbpsは1Mbps、1,000Mbpsは1Gbpsになります。
また、8bitは1byteです。上記の計算式の場合は、最終的に8で割ることによって単位がbyteに揃うので、計算結果をMB(Mega Byte)の単位で導き出すことができます。

映像の通信量は画質と時間で決まる

例えば、ネットワークカメラを防犯対策として用いる場合、基本的に24時間365日データを送信し続けることになるため、通信量は膨大になります。これが4Kのネットワークカメラだった場合には、送信するデータ容量も大きくなるため通信量もさらに膨れ上がるというわけです。

このように、通信量は、画質と通信時間によっても大きく異なります。具体的にどのくらいの違いがあるのかを分かりやすくするために、低画質、一般的な画質、高画質、超高画質の場合に分けて、1時間あたりの通信量の目安をそれぞれ見てみましょう。なお通信速度は、同じ映像を通信することを条件としたときに、各解像度において一般的と考えられる数値を算出したものです。

低画質(SD)

解像度が720×480の低画質(SD)の場合、必要な通信速度は約3Mbpsで1時間あたりの通信量は約1.35GBとなります。

一般的な画質(HD)

解像度が1280×720の一般的な画質(SD)の場合、必要な通信速度は約5Mbpsで1時間あたりの通信量は約2.25GBとなります。

高画質(FHD)

解像度が1920×1080の高画質(FHD)の場合、必要な通信速度は約15Mbpsで1時間あたりの通信量は約6.75GBとなります。

超高画質(4K)

解像度が3840×2160 の超高画質(4K)の場合、必要な通信速度は約25Mbpsで1時間あたりの通信量は約11.25GBとなります。

一般的なネットワークカメラの通信量

では、一般的なネットワークカメラではどのくらいの通信量が必要になるのでしょうか。
動画を形成している1枚1枚の静止画(コマ)の1秒当たりの表示枚数値を「フレームレート」と呼びますが、例えば、フレームレートを5fps(1秒間に5コマ)とした場合、フルHDでおよそ3800Kbpsの通信量が必要になります。これを1日撮影し続けた場合は約41GBの録画容量が必要というわけです。

ただし、現在はH.265と呼ばれる最新の動画圧縮方式に対応しているネットワークカメラも増えていて、ストレージを大幅に節約することができます。特に4Kなどの超高画質のネットワークカメラの場合には、H.265を採用しているものを選ぶのがおすすめです。

ネットワークカメラのための回線を契約する際の注意点

ネットワークカメラを設置した場合、カメラで撮影した映像をスマホやタブレット、モニターなどの端末に送信する時やクラウドサーバーやレコーダーへ保存する時などに必ずインターネット環境が必要になります。インターネット回線にはさまざまな種類がありますが、どのような回線を選ぶのかによって、映像を確認する際の快適性や映像の遅延防止などにも大きく影響します。

では、実際にネットワークカメラのための回線を契約する際には、どのような点に気を付けたら良いのでしょうか。回線契約時の注意点について詳しく見ていきましょう。

ネットワークカメラの通信量を確認する

最適なインターネット回線を選択するためには、まずネットワークカメラの通信量を正しく把握しておくことが大切です。基本的に、映像が高画質なものや音声付きのものは送信するデータ容量も大きくなるため、インターネット回線は高速通信ができる光回線を選ぶのが安心でしょう。

上り回線の通信速度を確認する

ネットワークカメラで撮影した映像を送信する際には上り回線を使用するため、上り回線の通信速度を確認しておくことが大切です。目安としては上り10Mbps以上のものを選びましょう。

通信容量や通信速度の制限に注意

ネットワークカメラにモバイル回線を使用する場合、通信容量や通信速度に制限があると早々に上限に達してしまい、映像の送信に影響が出てしまうこともあります。高画質のネットワークカメラを使う時にはモバイル回線は避けた方が安心でしょう。

ネットワークカメラのスペックを最大限に活かすためには、通信量に合った最適な回線を契約することが大切です。契約の内容はプロバイダごとに異なりますので、内容についてもしっかり目を通し、正しく理解しましょう。